Lobotomy Corporationの続編、Library of Ruina をレビュー!
前作のディストピアな世界観とそこに生きるキャラクターの物語をより深く楽しめるソフトでした。ただし、相変わらず難易度が高すぎる……。
前作のエンディングからそのまま続く物語となるため、まずは前作からプレイするのがお勧めです。
どんなゲーム?:ダークな世界観と独自要素満載のダイス+カードバトルを楽しめる
あらすじ
Lobotomy Corporationでの出来事から、不思議な図書館の館長となったアンジェラ。
この図書館の力を使えば外の世界からゲストを呼ぶことができ、ゲストが勝利すれば図書館から望みの情報が記された本を得ることができ、ゲストが敗北した場合は本となって図書館に収納される。
アンジェラは、図書館に本を集め成長させた先に手に入る「たった一つの完璧な本」を求めて様々なゲストを招き入れていく。
ある者は富を得るために、ある者は図書館を調査するために、ある者は図書館調査後に行方不明となった人物を探しに図書館に訪れる。
「どうかあなたの本がここで見つかりますように。」”都市”に住むゲストを招き、図書館長アンジェラの物語が始まる……。
ゲームシステム
ゲームシステムは独特なうえ、非常に複雑なためここでは根幹の部分だけを説明する。
今作は行動順決定→カードバトル の2つのステップを繰り返し、敵をせん滅することでステージクリアを目指すゲームだ。
はじめにターン開始時にダイスを振り、出た目の数で各キャラクターの行動順番が決定する。(同時に、敵が使用するカードも決定する。)
プレイヤーは敵の使用するカードに勝てるものを選び、戦闘を有利に進めていく。この時、敵よりも行動順序ダイスの早い味方がいれば、敵の攻撃カードの対象を自分に置き換えることができる。
非常に複雑なルールのため序盤は戸惑うこと必須。ただ、序盤はとりあえず強そうなカードを選んでいけば勝てるようになっているため少しずつ覚えていこう。
非公式Wikiに戦闘システムが詳しく載っているため、よくわからなくなったら読むことをお勧めしたい。攻略Wikiを絶対見たくない人は、ゲーム内のヘルプでも代用可能。
ステージをクリアすると報酬として相手の使用していたカードを得ることができる。
デッキ編集画面でカードを入れ替えて、次のステージに勝てるデッキを組もう。
ここが面白い
ダークなSFを堪能できるストーリー
各ステージの冒頭に、招かれるゲストに関するストーリーが付いておりこれがダークで非常に面白い。
この世界は文明が非常に発達しており、どんな距離でも一瞬でワープできる列車や記憶を引き継ぐクローン人間などを作れてしまう。しかし高度な技術力を手にした人々は、いつしか倫理観や思いやりといった感情が無くなってしまっていた。
消耗品のように失われる人の命、快楽のためだけに殺人を犯す狂人、金さえ積まれれば何でもする便利屋……この世界に住まう人々を犠牲に成長していく図書館のダークなストーリーが面白い。
良質で種類が豊富なBGM
まずはこのオープニング映像を見てほしい。
本作はこのレベルの素晴らしい楽曲が多数収録されており、一部のボスクラスの強敵には専用BGMまで用意されている。
ネタバレになるため詳しくは書けないが、ボスクラスの強敵はBGMが切り替わるタイミング・演出も非常に良い。
ここが残念
難易度が高すぎる
最序盤はとりあえず強そうなカードを出すだけでクリアできるが、ゲーム中盤以降はどの敵も非常に強く、ボスクラスの強敵になると一戦1時間以上は戦うことになる。
ボスは専用の固有能力を持っていることが多く、相手の固有能力を理解しないと強力な技を連発されたり、ダメージが全く通らずに全滅してしまう。基本的な戦闘システムでも複雑なうえに固有能力まで把握しなくてはならず、難易度が非常に高い。
全滅した場合は何度でもステージの初めからやり直すことはできる。が、1時間以上かかるステージのやり直しとなった場合の精神的ダメージが非常に大きい。
こちらも全滅しないよう戦闘開始前の情報から最適なデッキ構築はするのだが、後半のボスは第2・第3形態など能力が次々に変わっていくため、(戦闘前に確認できる)第1形態に最適なデッキであっても第3形態には無効化されるカードばかりとなり成す術なく全滅する理不尽な戦闘が何個かあった。
前作では絶望的なまでに難易度が高い事もゲームの世界観を保つ要素だったが、本作はここまで難易度を高くしなくても良かったと思う。
library-of-ruina.fandom.com
ただしカードゲームという性質上、攻略Wikiにある対策デッキの通り組めば簡単にクリアできる点は救い。
まとめ:ストーリー、BGMが秀逸!高難易度ゲームが得意ならお勧め。
ストーリーパートが大幅に追加され、前作「Lobotomy Corporation」の世界観が本格的に楽しめるストーリー、雰囲気に合ったBGMが秀逸なソフト。
ゲームシステムは全く異なるものの、前作に匹敵するくらいの凶悪難易度も楽しめる。
ただ、個人的にはもう少し難易度を下げてほしかった。全滅しても途中からやり直すようなシステムが欲しい。その場合はクリア実績つかない等してもらって構わないのでお願いします。
難易度以外は文句なしの良作なので、聡明でカードゲームが得意な方、 難しいゲームでも根気よくプレイできる方、詰まった際には攻略Wikiを見られる方にはぜひおすすめしたい一本。
Library of Ruina はSteamで販売中。
前作の異常生物管理ゲーム「Lobotomy Corporation」もSteamで販売中。