無事に最終難易度クリアと3連続クリア実績も取れたのでレビュー!
1ターンたりとも無駄にできないシビアなゲーム性でありながら、適切な対処をすれば連続クリアできるほど練られたゲームバランスが非常に楽しく、色んなデッキで遊べる良作だった。
どんなゲーム?ユニットを置いて戦うデッキ構築ローグライクゲーム
ワイルドフロストはランダムに生成されたマップからイベントを選びながら最終ボス撃破を目指すデッキ構築ローグライク。
スタートすると今回のゲームで戦うリーダーを選ぶ。リーダーが倒れてしまうとゲームオーバーなので、慣れないうちは打たれ強いリーダーのほうが戦いやすい。
マップパートでは2つのルートから好きなほうを選びデッキ内を強化する。
合流地点は必ず戦闘となる。敵を倒して更に奥のマップへと進み、最深部を目指そう。
戦闘システムは本作独自の要素が光る。リーダーや味方ユニットを活かして戦う方式で、プレイヤーは基本的に1ターンに1枚だけサポートカードを使うことができる。
プレイヤーがカードを使うと、敵味方含め全ユニットの待機ターンが1つ減り、0になると攻撃する。味方が倒されないようにうまく補助して敵を倒そう。
ここが面白い
1ターンを重視したゲームバランス
ランダムにカードが取得できるデッキ構築ローグライクゲームとして、多くのキャラクター、カードにも活躍の機会があり非常にバランスが良い。ユニット単体では活かしにくい能力も、味方のアシストを受けることで強力な能力になる。
プレイをし始めたころは慣れない戦闘ルールに難易度が高い印象を受けるが、実際はカード取得運よりもプレイヤーの実力が重要なゲームなので慣れてくれば3回連続でクリアすることも十分可能だ。
わかりやすい所で言うと回復すると攻撃力が上がるキャラに、攻撃を受けるたびに1だけ回復する暖心の源を添えておく組み合わせなどがある。ダメージを受けるたびに1ずつ攻撃力が上がっていく。
なおクリアするにはカードの相性を意識するだけではなく、敵味方の行動順の把握が必須。
待機カウントが0になったときの行動順は固定だが、忘れてしまった場合は画面右上の目玉マークからいつでも確認できる。
更にこのゲームを深く知っていくと、攻撃カウントダウンシステムは「このターンに攻撃するユニット」だけでなく「次ターン以降に攻撃するユニット」までわかることに気が付くだろう。
次ターン以降の猛攻に備えるカードが手札に無いと判断したら、1ターン消費して手札入替ができる「リドローベル」を使って山札から必要なカードを手に入れることもできる。
ワイルドフロストは不運を実力でカバーできる要素が豊富に用意されているため、ランダム要素に振り回されながらも勝てるプレイングを見つけ出す楽しみがある。
ゲームの進行と連動したBGM・SE
BGMも開発者のこだわりを感じる部分。
お互いどちらかのダメージが発生するまではゆったりとした待機BGMだが、ダメージが発生するとアップテンポなBGMへ切り替わりゲーム進行を盛り上げる。
もちろん各ステージのボスでは上記のボス用BGMに切り替わり、緊迫感のある戦闘を演出してくれる。
効果内容に応じたSEも地味ながら没入感を高める重要な要素。攻撃力が高くなると重いSEに切り替わったり、各状態異常に応じたSEからも状況がわかるような考慮がされている。
ここが残念
説明しきれていないゲーム要素
1ターンの重要度が高いゲーム性であるにも関わらずチュートリアルで説明されていない要素があり、始めたばかりの頃は理不尽なゲームという印象を受けやすい。
たとえば、各ステージのボスリーダーは一度倒されると第二形態になるがこれはゲーム中一切説明がない。
ボスを倒すとザコ敵が残っていてもクリアとなるため、道中と同じように防御を捨て全力でボスを倒しに行ったら第二形態に進化、そのまま死亡……と理不尽な死を経験することがあった。
他にも(チュートリアルで説明されたかもしれないが)重要な要素がある。
プレイ中に該当キーワードにマウスカーソルを置くことで詳細な説明を受けられるが、以下に示す要素を把握しておくだけでも理不尽感が減ると思うので参考にしてほしい。
・ランダム:同じ横一列の中でランダム対象。つまり、縦軸をずらせば攻撃対象に選ばれない。
・オカエシ:スノーを与えると発動しなくなる。この攻撃で相手のライフを0にした場合、オカエシは発動しない。
・攻撃を受けた際に発動:スノーを与えると発動しなくなる。発動した時の対象は、ダメージを与えたキャラではなく通常の攻撃対象(自分の前の敵キャラ)。
・カミツキ:スノーを与えても反撃ダメージが返ってくる。この攻撃で相手のライフを0にした場合でも反撃ダメージが返ってくる。
・味方ユニットは待機するとターン消費せずにHPが5回復する。混乱や毒などのデバフを解除するが、攻撃力アップなどのバフは継続する。
・自分が使うカードの対象は制限がない。あえて味方にスノーを付けて攻撃ターンを遅らせたり、攻撃力0~1のカードで殴ったりすることが有効な場面がある。
・1ターンに連続して敵を倒すとコンボボーナスで貰える金額が増えていく。
これらの要素を知らないことには対処のしようもないため、現在の状態でターンを終了した場合のダメージ予想表示や、コンティニューできる初心者モードなどあっても良かったのかなと感じた。
まとめ:ゲーム要素を把握してからが本番!プレイヤーの腕が光る良質デッキ構築ローグライク
ゲーム中のキーワード、出現する可能性のある敵キャラクター、味方ユニットと相性の良いカードなど、自分が理解した要素が増えれば増えるほどクリアが近づく良質なデッキ構築ローグライクゲーム。
デッキ次第ではバランス崩壊級の超強力ユニットを作ることもでき、デッキ構築ゲームならではの爽快感もあり非常に楽しいゲームだった。
この手のゲームで、自分で攻略法を確立し最高難易度までクリアを目指すのが好きな人なら絶対お勧めできる。日本語訳がしっかりしていて違和感が全くない点も嬉しい。
なお開発チームとしても初心者が快適にプレイできるよう、チュートリアルを改善したり行動順表示ボタンを付けたりとアップデートしてくれているのでゲーム要素は今後もっとわかりやすくなるのかもしれない。
ワイルドフロストはSteam、Nintendo Switchで発売中。今回プレイしたのはSteam版だが、スペックを要求するようなソフトではないためNintendo Switchでも快適に動くはず。