2Dアクションだった頃の悪魔城ドラキュラを意識した作りが売りの8bit風2Dアクションゲームをレビュー。 昔ながらのドット絵に昨今のゲームバランスを取り入れた良作です。
どんなゲーム?
本作はレトロな8bit風ゲームを、現代の技術で作り上げた2Dアクションゲーム。
実際には背景や敵がファミコンよりもよく動くため、懐かしいデザインでありながら新鮮な感覚で遊べる。
最大の特徴は戦闘中にいつでも仲間と入替可能なシステム。
キャラクターによって得手不得手があるため、場面に合わせてキャラを変えて戦うことが重要になっている。
主要なキャラクターは以下の4人。
主人公の斬月。リーチは短いが、威力と攻撃速度に優れた剣を扱う。
ポイントを消費して使うサブウェポンが大変優秀で、多くの仲間が苦手な斜め上、斜め下の敵を葬ることができる。
※各キャラクターは複数のサブウェポンから一つだけ使用可能。
リーチが長い槍を扱うドミニク。ジャンプ力が高いため、敵の攻撃を楽に回避できる。落下死もしづらく、とにかく扱いやすい。
サブウェポンの回復が大変優秀。ゲームに慣れないうちは被弾が多くなるが、ドミニクがいれば立て直しが容易だ。
射程無限(!)の銃を扱うロバート。無限は凄い。遠くいる敵は彼に任せれば簡単に倒せる。
斜め上方向に飛ぶサブウェポン、ジャベリンも大変優秀。こちらも射程無限だ。
体力が極端に少ないことと、射撃のたびにリロードモーションが入るため要所でしか活躍できないが頼りになる。
犬のハチ。魔導アーマーを操作する。犬が魔導アーマーを操作している経緯は省く。
ジャンプからホバー移動ができる、トゲの床を無効できる、サブウェポンポイントがある限り無敵になれる、HPが全キャラで一番高いとかなり強い。
その代わりでかい。食らい判定がでかい。だがハチを使えば楽に突破できる場面は多い。困ったらハチを使おう。
4人を操作してステージを進め、ボスを倒せば1ステージクリア。最終ステージのボスを倒せば完全クリア。ここは普通のアクションゲームと同じだ。
ここが面白い
一見すると難しいが、ヒントとなる敵・武器配置がある丁寧な難易度調整
このゲームではジャンプ後に軌道を変えられる範囲がほぼ無いうえ、攻撃を食らうとノックバックしてしまう。*1
ジャンプして渡った先に敵がいるような地形の場合、「攻撃を食らう前に敵を倒せないとノックバックで落下死」というシチュエーションが多々発生するデザインだ。
これはオマージュ元となった悪魔城ドラキュラシリーズ伝統の高難易度要素なのだが、本作では「簡単に突破する方法」を必ず用意してくれている。
たとえばこれ。
定期的に攻撃を出す敵を超えた先に、移動攻撃をする敵の組み合わせ。どちらも食らったらノックバック落下死するため非常に危険。
だが、遠距離攻撃ができるロバートで敵を倒し
斬月にチェンジし斜め下に攻撃できるサブウェポンで敵を倒せば、わざわざハイリスクなアクションを取らなくてよい。
レトロ風ゲームの「高難易度=理不尽な死」のあるあるを体験させつつも、現代のアクションゲームらしく「高難易度:理屈がわかれば突破可能」という両方のゲーム性を兼ね備えた丁寧なゲームデザインが素晴らしい。
細かいことだが、ほぼ全ての飛び道具は攻撃すれば壊せるところも良い。回避できない状況でも、攻撃さえ間に合えば食らわなくて済む。
各ボスも丁寧な作り。一見すると激しい攻撃に見えるが、安全地帯や攻撃してこないタイミングが非常にわかりやすく攻略パターンを簡単に組める。
変化に富む周回要素
本作にはハードモードも用意されているが、昨今のアクションゲームのハードモードと比べても変化が多くプレイヤーを飽きさせない。
全ボスの攻撃パターンが強化され、よりシビアな回避を求められるようになる。一方でボスのHPや攻撃後の隙は変わっていないため、うまく回避できればボス撃破時間は1周目とほぼ同じ。構築したパターン通り動けば簡単に撃破でき、成長を実感できて良い。
もう一つ周回時に大きな特徴がある。公式サイトに載っているとはいえ、少しネタバレを含むため、クリックして表示する方式にした。
多少ネタバレを含みます。
1周目とそれ以外で戦うメンバーが異なる。今までのステージ攻略とは違うパターンでクリアする必要が出てくる。
また本作はボス到達まで複数のルートがあり、別ルートを選択すると多少違う敵配置のステージになる。2周目とは思えないほど新鮮で飽きないプレイが可能だ。
まとめ:丁寧なレトロ風アクションゲーム。非常に遊びやすい良作!
レトロゲーお馴染み「ノックバックで落下死の理不尽」を味わうことができながらも、簡単にクリアできる配慮もなされた良作アクションゲーム。
一見難しそうなところも4人の力を合わせれば簡単に突破でき、全キャラ、全サブウェポンに役割がある点が非常に良い。
その反面、キャラ一人でクリアしようとすると前作よりも難しい場面は多いように感じた。ここは前作とゲーム性の違う部分だが、せっかく4人使えるのだから場面ごとにキャラを変えて戦う今作のほうが僕は好きだ。
BloodStained: Curse of the Moon 2はNintendo Switch、PS4、XBOX ONE、Steamで発売中。
今回レビューしたのはNintendo Switch版ですが、7/22現在機種依存の不具合は解消されているためお好きな機種でどうぞ!
もし前作をプレイしていない人は、値段的な意味で前作からプレイするのも良いですね。ストーリーは1から続いていますが、各作品内で完結しているのであまり気にする必要は無いです。
*1:ノックバックしないカジュアルモードも別途用意されている。