1996年。日本はたまごっちブームに沸いていました。
その人気ぶりは凄まじく、白のたまごっち一つあれば昨今のJKビジネスも真っ青の「お願い」が叶えられたと言われています。
実際、周りで白のたまごっちを持っている人は注目の的でした。公式のミュウ持っている人レベルで注目の的でした。
そんな人気商品なら、僕も欲しい。欲しい、欲しいのですが…少年だった僕は相当な情報弱者なわけで。
たまごっちなんて買えるわけがなかったのです。
でもやりたい、何か育成してみたい!先生に隠れて電子ペットを育ててみたい!
そんな子供たちの純粋な気持ちと、「なんかピコピコ言う電子ペット出せば売れるんじゃね?」という大人たちの思惑によって次々とたまごっちの偽物が誕生していきました。
たまごっちは進化すると色んな姿に変化していきますが、リアルでも進化して色んな偽物達を生み出していたのです。
どうしてもたまごっちがやりたい子どもたちは、偽物ことパクリっちに手を出していきます。
パクリっち界のスター「ぎゃおッPi」すら手に入れることのできなかった僕が、ロヂャースで親に泣きつき手に入れたパクリっち、それが「ねこっちゃ」です。
ねこっちゃはここが違う
たまごっちの偽物として生まれたねこっちゃですが、本家たまごっちとは異なる点が多いです。
マナーモードなど存在しない
まず、ねこっちゃにはマナーモードなんていう人のエゴでしかない機能は存在しません。
生き物ですから、鳴くときは鳴きます。学校に持っていったら即バレです。
学校に持って行き、先生に隠れて電子ペットを育てる。そんな悪い子どもにはさせない親切設計ですね。
多種多様な成長なんてしない
ねこっちゃは動物育成ゲームです。小さな動物は成長したらどうなりますか?
大きくなりますね。多種多様な成長なんてしません。ねこっちゃも同じです。
その分、成長に合わせて色んなパターンが用意されていますよ。
まずこれ。生首です。最初は生首からスタートです。耳もヒゲもありません。
猫なの…?と思った人もいるかもしれませんね。大丈夫、そのうち耳も尻尾も生えてきます。
成長した姿も見てみましょうか。
ネズミ。
これはネズミですね。猫ではない。
ねこっちゃなのにネズミにしかならない。
たまごっちには、隠しキャラとしてあえて可愛くないおやじっちを入れるという遊び心がありました。
ねこっちゃはどうでしょう。猫に成長するというお堅いセオリーは捨て、あえてネズミにのみ成長するというゲームデザイン。
遊び心の塊のようなゲームデザインですね。
よく死ぬ。すぐ死ぬ。
ネズミにしか進化しないならすぐ終わってしまうのではないか、と思うかもしれません。
心配ご無用。ねこっちゃはすぐ死んでしまうのでなかなかクリアできません。
どれくらいすぐ死ぬか、というと餌の種類や病気の治療などを5回ほど間違えると死にます。
朝、昼、夜のうち一つでもサボってしまうと、もちろん死にます。スリリングな育成を楽しめますね。
ちなみにネズミとして最大まで大きくなると、また生首が生まれます。そこまで行けばゲームクリアです。
まとめ
どうでしょう。ねこっちゃの魅力が伝わったでしょうか。
ただ、少年だった僕にはちょっとエグみが強すぎました。1年後には我が家からは消えていきました。
そんなねこっちゃをなぜ今更紹介したのかというと、オークションサイトで新品未開封を100円で落札してしまったからです。
ニセビックリマンシールは30万近い金額がついているらしいのに、なんてお財布に優しいのでしょう。
100円でなかなか買える機会はないと思いますが、平成ノスタルジーを感じるには持って来いのゲームです。
みなさんも是非プレイして、砂利が口に入ったようなコレジャナイ感を味わいましょう。