Bloodstained Ritual of the Nightをクリアしたのでレビュー!
今作は探索型ゲームの超名作「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」を制作したプロデューサーIGAこと五十嵐孝司氏による2Dアクションゲーム。
「月下の夜想曲」のファンの人はもちろんのこと、「暁月の円舞曲」「蒼月の十字架」が好きな人には文句なしにお勧めできる良質のゲームになっています。
どんなゲーム?
今作はメトロイドや悪魔城ドラキュラシリーズに代表される、探索型2Dアクションゲーム。
道中現れる雑魚敵を倒しながら進み、悪魔が蔓延る城の最深部を目指しましょう。主人公ミリアムは倒した悪魔の結晶「シャード」を宿し、自分の力として使うことができます。
ジャンプの高さが足りなくて登れない場所も、悪魔の力を手に入れれば進めるはず。広大なマップを探索し、ボス悪魔を倒し能力を手に入れましょう。手に入れた能力で、前は進めなかった場所が進めます。
探索ゲームとは言え、複雑な謎解き要素はありません。特に序盤、ゲームにある程度慣れる頃までは、ボス悪魔を倒す道のりはほぼ一本道。
アクションは得意でも謎解きは苦手という人でもストレスなく遊べます。
また、Bloodstainedは2Dアクションゲームに、RPG的な育成要素を多く含んでいます。武器によって攻撃方法は大きく変わるほか、ボスに勝てないときにはミリアムのレベルを上げることもできます。
初心者でも安心してプレイできるよう最大限のフォローがあり、ゲーム上級者も楽しんでプレイできる。この辺はさすが「メトロイドヴァニア」生みの親ですね。
ここが面白い
雑魚敵にわくわくできる「シャード」システムやレアドロップ
その辺に湧いている雑魚敵からも奪える「シャード」。手から炎が出るありがちな能力からモンスターを召喚するものまで、様々な能力が揃っています。
基本的に元となった悪魔の能力が手に入りますが、思いがけず強い能力、まるで使えそうにない能力まであり「この悪魔を倒せばどんな能力が手に入るんだろう?」とわくわくしながら雑魚敵と戦闘できます。
シャードは確率でドロップするため、手に入るかは運。同じシャードを複数個集めると威力が上がるので、シャードをすでにドロップしている敵でも楽しく戦えます。
シャードとは別に、錬金(内容は後述)で使う素材アイテムや、モンスターによってはレア装備まで落とすため、マップ探索で詰まっても時間を無駄にした気があまりしません。思いがけず強い装備をドロップした時は小躍りしたくなりますね。
もりもり成長する育成要素
シャード強化以外にも、モンスターからドロップした素材を元に武器を作る「錬成」、料理を食べることでミリアムのパラメータが永続的に増加する「料理」など、様々な方法でミリアムを強化できます。
レベルシステムだけだと、レベルが上がるまで不毛な雑魚狩りをしなくてはいけないし、ドロップシステムだけならドロップするまでひたすら敵を倒すだけ。
探索型ゲームに、両方の成長システムを採用しているBloodstainedは、「マップが進んだ」「シャードを拾った」「素材を拾った」「レアアイテムを拾った」など、様々な方法でゲームの進み具合を感じることができます。
個人的に嬉しい育成要素として、付けるだけで能力が発動する黄色シャードが過去作「暁月の円舞曲」のシステムから改善されたこと。黄色シャードは数ある能力から一つしか装備できないので、過去作では「MAXMPアップ」のような地味なステータスアップ能力は使う機会がなく、集めるだけ無駄なものばかりでした。
しかし今作では能力を最大強化することで、装備しなくても発動するようになりました!これで地味なステータスアップ能力も強化する意味が出てきます!もっと強くできる!
これだけ育成の魅力を語っておいてなんですがノーマルモードクリアであれば2Dアクションが得意な人はわざわざ育成する必要はないくらいの難易度です。僕もあまり育成はしないでエンディングに到達できました。
それなのになぜ育成するのかと言えば、雑魚敵を倒してもりもり成長するミリアムを見るのが楽しいから。どんなシャードが手に入るのか、気になりますしね。
ちなみに料理システムが妙に凝っていて、食材を選ぶとミリアムが調理するモーションがあります。買い物をしてもミリアムは動かないのに謎のこだわりポイント。
戦闘中は「顕現せよ!」なんてキリッと言ってるのに、料理を食べると「おぉいひぃ~♪」とふわふわしたボイスで喋るミリアムのギャップが凄い。本当は普通の女の子なんですね。
育成要素だけでなく、収集要素もあります。悪魔図鑑でシャード100%、ドロップアイテム100%を目指すこともできます。
ここが残念
バグが多め
僕がプレイしたのはPC版なので、お前の環境だけ(通称おま環)の可能性もありますがSteamレビューにもちらほらとバグの報告が見られます。
僕も一度、高速で移動しながら本棚を調べたら強制終了しました。このゲームはオートセーブに対応していないので、セーブポイントがあったらこまめにセーブをしておきましょう。
序盤のボスが一番強い
Bloodstainedは育成・強化要素が豊富です。レベル、武器、シャード、色んな方法でミリアムを強化できます。そうなると、このゲームで一番難しい場面は育成・強化ができないとき、つまり行動範囲が制限されていて、武器も購入できない最序盤になります。
とりわけ一番難しいのは、ゲーム最初のボス戦。
「初心者にもお勧めって聞いたのに難しい!」という人、最初だけです。アイテムをガンガン使って倒してください。
最初のボスを超えればお店で回復アイテム購入もできるようになります。
まとめ
本家「メトロイドヴァニア」の作品として超えるべきハードルを余裕で越えていった、完成度が非常に高いソフトです。僕の勘ですが、2019年発売ソフトとして何かの賞にノミネートされるでしょう。
メトロイドヴァニアにおける「探索要素」「育成要素」の面白さを純粋に突き詰めたゲームなので、初めて「メトロイドヴァニア」をプレイする人にもお勧めの一本になっています。
PC以外の日本語版の発売も10月24日に正式決定しました。北米版を買っても日本語に切り替えられますが、外箱も日本語で欲しい人なら価値ありですね。
ちなみにNintendo Switch版はハード性能の為かロード時間が長く、フレームレートや解像度も低いです。PS4、Xbox one、PC版を買うことをお勧めします。僕はPC版を買いました。
過去作オマージュも多く、月下の夜想曲などの過去作ファンとしては「そうそう、こういうのでいいんだよ。」と言いたくなるようなゲームでした。今後はプレイヤーキャラの追加など、DLCも追加される予定なので今から買っても十分楽しめますよ。