ゲームがやりたい

ゲームがやりたいと思えるような記事を書きます。

【ネタバレなし】レイジングループ 評価・レビュー ループ×人狼×伝奇の良い所取りのサウンドノベル

f:id:yaritai_games:20190827080817j:plain

  • 何度も同じ時をやり直すタイムループ

  • 閉鎖的な村社会を舞台にした伝奇物語

  • 村人の中に紛れた殺人鬼を探す人狼ゲーム

この3つのジャンルの面白さを良い感じにミックスしたサウンドノベル、それがレイジングループです。

人狼ゲームの緊迫感と、先の読めないストーリーが大変面白くて寝る間を惜しんでプレイしてしまいました!とてもオススメ!

重要なネタバレは一切なく、記載した内容も全て体験版でプレイできる範囲に留めています。

あらすじ:どんなゲーム?

f:id:yaritai_games:20190827081021j:plain
バイク旅行者「房石陽明(ふさいし・はるあき)」は、道に迷い、事故を起こし、山中をさまよう。

暗い茂みと冷たい沢を越えたところ、彼は見知らぬ若い女に救助され、酒宴に招かれる。


一夜明け、陽明は自分が「望ましくない場所」にいると気付く。

隔絶された地理、よそよそしい住人、奇妙な風習、信仰──

f:id:yaritai_games:20190827081117j:plain

回収されたバイクを修理し、早々に集落を去ろうとする陽明だが、突如発生した夕霧と、住人のパニックに巻き込まれ、機を逸する。

f:id:yaritai_games:20190827081106j:plain

その夜、彼は「人狼」に襲われ、死亡する。

f:id:yaritai_games:20190827080832j:plain

しかし―気付けば、バイクで迷っている最初の夜に戻っていた。

再び休水集落に入った陽明は、怪物との遭遇と死を回避する。翌日、集会堂に集まった住人たちは、驚くべき行動に出た。

曰く、かつてひとが殺めた神の使い「おおかみ」が復活した。

住人を殺して入れ替わっているおおかみを、合議で選んで「くくる」べし。

その恐るべき処刑儀礼は、名を「黄泉忌みの宴」といった──


迷信。狂気。怪物。そして「死に戻り」の不思議──

霧の中でゆらめく数々の怪異を、暴かねばならない。

そのためには、死ななければならない。

致死の選択を、やり直さねばならない。

“前”よりも、先に進まねばならない。

そのために、投票に勝って、他人を処刑せねばならない。

公式ページより

ここが面白い

タイムループ、人狼、伝奇の良さを最大限引き出した脚本

f:id:yaritai_games:20190827081140j:plain

まず何と言っても脚本が面白い。

人狼ゲームとは、村人の中に紛れた殺人鬼「人狼」を探し出し、全ての人狼を見つけたら村人側の勝利、反対に全ての村人を殺害できたら人狼側の勝利となるゲームです。人狼と疑わしき人物を一日一人選び、処刑(殺害)することで人狼を見つけ出します。

本作はこの人狼ゲームをベースにオリジナルの解釈・展開を描いた挑戦的な内容ですが、誰が人狼かわからない緊迫感があり、キャラクターの一つ一つの発言から推理する過程が丁寧に描かれていて読み手を飽きさせません。 f:id:yaritai_games:20190827082656j:plain


世界観も作り込まれていて、「人狼ゲームが行われている村」という異常な状況を理解できる村の歴史、宗教観が物語を盛り上げます。「とりあえず人を集めてきて、人狼ゲームによる殺し合いをしてもらう」といったような安易なデスゲーム感はありません。

f:id:yaritai_games:20190827104238j:plain


村人も個性的なキャラクターばかり。村人の誰しもが合理的で理性的な判断を下せるわけではないので、彼らの心情を理解したうえで人狼ゲームを生き延びていく必要があります。


そして、この閉鎖的な村を舞台にタイムループという要素を加えています。


タイムループ物の良さといえば、ゲームの主人公とプレイヤーの一体感。

通常、ゲーム内のキャラクターはその世界(舞台)に縛られているため、BADENDに繋がるルートの存在を認識することはできません。しかしタイムループ物の主人公はだけ例外で、世界の外側から結末を変えるように動き始めます。その行為は、プレイヤーである自分自身と同じであるため、物語の没入度が高くなります。



「誰が人狼なのか」「なぜ、この村では人狼ゲームが行われているのか」「なぜ、自分はタイムループすることができるのか」

物語を進めれば進めるほど増えていく謎に、衝撃の真実。一つのルートが終わったのに早く続きが読みたいと思わせる大胆な構成で、一気に最後まで読み進めてしまいます。

ここが気になる

残念、というほどではないのですが気になった点。

バッドエンドの「ヒント」が面白すぎる

f:id:yaritai_games:20190827081220j:plain

レイジングループでは、間違った選択肢を選ぶと(文章量の差はあれど)そのままバッドエンドに突入します。3つの選択肢がある場合、正解は1つだけで残り2つはバッドエンドで終了。人によっては、「複数あっても正解のルートを選ぶだけなのでこれはゲームではない(小説だ)」と思うかもしれません。
f:id:yaritai_games:20190827081445j:plain

また、バッドエンドになったときに正解ルートを教えてくれる「ヒント」機能が面白すぎるのも気になります。実はヒント機能を選ぶと単に正解を教えてくれるだけではなくて、ヒツジがバッドエンド名を付けてくれたり、プレイヤーを労う言葉をかけてくれたりと面白い要素がいっぱいあります。

正解を自力で見つけたい人でも、ヒントが面白いので見たくなってしまい、正解ルートバレ必須になっているのは気になりました。


少しフォローしておくと、あとからヒント機能だけ一気に読むこともできます。

まとめ:人狼ノベルの傑作!ボリュームたっぷりの体験版あり

f:id:yaritai_games:20190827083909p:plain


人狼ゲームをモチーフに、伝奇、タイムループを駆使して作り上げた傑作ノベルゲーム。お勧めです!


とはいえ、これを読んだだけでは購入するほど踏ん切りがつきませんよね?そこはご安心、ゲーム中のルートを1本丸ごと収録した体験版が用意されています!

体験版を最後までプレイすれば、このゲームの面白さが理解できるはず。PS4,PS Vita、Nintendo Switch、PC、お持ちの機種でまずは体験版をプレイしてみましょう!



あと、すっごい久々にケムコのゲームをプレイしました。大変失礼な話ですが、「懐かしいなぁ、ケムコ」と思ってしまい、現役で働いている人がいっぱいいるのにノスタルジーを感じてしまったことを謝罪します。

ドナルドダックのピザ運び、当時は夢中になってやっていましたよ。