「シュタインズゲート」でお馴染みの科学アドベンチャーシリーズから、ゲーム、小説、アニメのメディアミックス作品としてリリースされた「オカルティック・ナイン」。
Amazonプライムに加入していていればプライムビデオで見放題だったため、全話視聴しました。
直接的な表現は避けましたが、ストーリー展開について若干ネタバレありの評価・感想・レビューをまとめます。
ちなみにAmazonプライムビデオは、こちらから30日間の無料会員登録もできます。30日過ぎると、自動的に継続課金されてしまうのでご注意ください。
科学アドベンチャーシリーズって?
オカルティック・ナインを語る前に、科学アドベンチャーシリーズについて説明する必要がありますね。
科学アドベンチャーシリーズは、「99%の科学と1%のファンタジー」をコンセプトに、科学的根拠に基づいたリアリティのある物語を目指したシリーズ。また、各々の主人公や物語は全く違いますが同じ世界観を引き継いでいるのも特徴です。
作品の繋がりは直接的ではなく、「今作品のキャラクターは、別作品でバンドを組んでいたキャラのファン」という程度で、知っていると面白いけど知らなくても問題ないレベル。わかる人にはわかる、という程度の繋がりがちょこっと描かれていて面白い。
ちなみに僕はオカルティック・ナイン以外の全ての科学アドベンチャーシリーズをゲーム版でプレイ済みなので、評価が若干甘めかもしれません。
ここが面白い
超常現象を空想科学で魅せる設定
科学アドベンチャーシリーズといえば、「タイムマシン」や「巨大二足歩行ロボット」など現在の科学では実現されていないものに対して、空想科学で説明する世界観が特徴です。
今回の「オカルティック・ナイン」では、「霊界・幽霊」という存在に対して独自の世界観で表現。「そう考えると、たしかに幽霊は実在するかも!」と思わせる説明で、オカルト要素満載でありながら視聴者を置いてけぼりにはしない世界観に仕上がっています。
多くの伏線の回収、シリアスかつスピーディな展開
12話という短い時間ながらも、物語の間で張られた多くの伏線を回収し「これって、そういう意味だったのか!」となるシーンは圧巻です。大胆に張られた伏線に、僕は全く気が付きませんでした。
そして後半の怒涛の展開。様々な問題を一気に解決するスピーディな展開に、一気に見られるAmazonプライムビデオで良かったなと思うほどでした。
ここが残念
序盤が退屈
このアニメ、僕も当時リアルタイムで2話まで見ていたんですが正直言って序盤が退屈なんですよね。
タイトルの通り、9人の主要キャラクターがいるため長いことキャラクターの紹介になっています。3話くらいまでは物語が動かず、6話くらいまで進んでようやく「このアニメ、面白いかも!」という感じ。キャラクターが多すぎるので短くしようがないのかもしれませんが、暇な時期じゃなかったら3話で切ってたかなという印象でした。
後半が本当に面白いだけに、序盤の退屈さが残念に感じます。
後半の尺の無さ 駆け足すぎる
一方、後半になると怒涛の伏線回収。展開の面白さに心を奪われるのですが、とにかく尺の無さが目立ちます。尺が足りないのでキャラクターは常に早口だし、感動シーンもささっと流しておしまい。特に主人公が関わる感動シーンは、尺が足りないせいで感動する暇もなく場面が切り替わってしまいます。
せめて13話で放送できれば…と思わずにはいられない。
大きな謎が残るストーリー
このアニメを見終わったとき、「え?これって一体何だったの?」と思わずにはいられない部分があります。
僕は決して、「作中で全ての謎を解決するべきだ」とは思いません。作品に想像の余地を残すことで、視聴者があれこれ考えて広がる世界もあるでしょう。
ただオカルティック・ナインに残された謎は意図的に隠されたもの(描ききれなかったもの)であり、「想像の余地」をはるかに超えています。これは作者の志倉千代丸氏も認めていて、これからリリースするNintendo Switchのゲーム版で残された謎を解決する完全版を出すとのこと。*1
実は『オカルティック・ナイン』は既に別ハード版を開発中です。移植版には未回収伏線や謎の一部回収と、肝心の「その後」を描いたトゥルーエンドシナリオなどが追加される予定。これら新要素の全ては既にご購入頂いた皆さんには無料の追加パッチで対応致します。引き続き続報にご期待下さい。#オカン
— 志倉千代丸/Chiyomaru Shikura (@chiyomaru5pb) December 10, 2017
伏線もある程度回収された面白いアニメなのに、意図的に隠された謎があるのは少し残念です。
まとめ:後半の尺の足りなさが目立つものの面白いアニメ
序盤の退屈ささえしのげれば、後半の怒涛の伏線回収が大変面白いアニメでした。 科学アドベンチャーシリーズを全て網羅しているのでかなり偏った目線になってしまいますが、オカルト分野に興味があれば十分楽しめる作品だと思います。
多くの伏線を回収しつつも大きな謎が残るストーリーですが、よくある完全版商法だと思えば普通かもしれません。ファミ通に開き直った千代丸氏のコメントが載っていますよ。
ちなみに、今更ながらに僕がアニメ版を見た理由は「ロボティクスノーツ DaSH」の世界観クロスオーバーで、もしかしたらオカルティック・ナインからも出るかもしれないと思ったからです。
無印のロボティクスノーツは他の科学ADVと違いスポ魂ものという異色の作品ですが、DaSHはどうなるのか楽しみですね。
オカルティック・ナインのご視聴は以下のリンクからどうぞ。
*1:すでに発売しているPS4版は無料DLCで提供予定。