春ですね。出会いと別れ、会社勤めの人は通常業務に加えて、人事異動、新入社員の受け入れ準備で大忙しではないでしょうか。
春になるとふと思い出す出来事があります。「わからないことがわからない」と訴えていた後輩を持っていたこと。*1
後輩「先輩、これがよくわからないのですが教えてください。」
僕「わかった。まず、何がわからないのか教えてくれる?」
後輩「わからないこと(部分)がわからないです。」
…いや、わからない部分はわかるでしょう。そんなことあるんですか?
僕はこんな状態になったことが一度もないのですが、実は皆さんよくある状態らしいですね。一体どういう状態なんですか?
以下、この話をすると僕がよく言われる言葉。
用語がわからない説明を受ければこの気持ちがわかるよ
宇宙ひも(うちゅうひも、cosmic string)は物理学、特に宇宙論で言及される時空の中の特殊な領域。コズミックストリングとも呼ばれる。
時空が相転移する際、全体がいっせいに相転移するのではなく、複数の領域がそれぞれ個別に相転移することが考えられる。
その場合、領域の境界には位相的欠陥ができ、その部分は通常の時空とは異なる状態になる。 これは、通常の物質が結晶になる際に、結晶粒子の境界に格子欠陥の一種である結晶粒界ができる現象と類似したものと考えると理解しやすい。
締めの言葉が「理解しやすい」と書いてあるにも関わらず、全く理解できません。
これは、「専門用語が」わからない状態ですね。
具体的にわからない部分を洗い出してみましょう。
「相転移」、「位相的欠陥」など聞きなれない言葉の定義がわかりません。また、よくよく考えてみると「時空」「結晶」という言葉の意味もよくわかりません。
宇宙論における「時空」とは一体何?「時空」は「相転移」するものなのでしょうか?
以上の事からこの説明を受けた場合、僕が後輩の立場なら「数々の専門用語がサッパリわかりません。」と伝えると思います。
先輩はきっと「この"領域"(レベル)まで上がって来いよ…!」と宇宙物理学入門の本をくれるでしょうね。
わからない言葉で書いてあるようなものだよ
اسأل مجرب ولا تسأل حكيم
「何が書いてあるのか」わからないですね。何語なのでしょうか?正解はアラビア語。
また、「書いてある文字が何を意味しているのか」わからないです。
言葉の意味は「頭の良い人よりも、経験した人に尋ねよ」です。アラビア語のことわざの一つ。
といった感じで、「わからないこと」そのものは説明できると思っていました。誰でも、どんなことでも、絶対に。
こんな説明をすると同僚や先輩からは「君は頭が良いんだろうね」と言われ、「はい!この話は終わり!やめやめ!!」の空気にされる始末。
無理に突っ込む話じゃないので「いやぁ、頭が固くてすみません」と穏便に済ませますが、本当は知りたいんですよ。
「わからないことがわからない」という状態を、理解したい。
ちなみに僕は「わからないことがわからない」と訴えてくる人がいたとき、「その気持ちわかるー」という人に解決してもらうようにしています。
اسأل مجرب ولا تسأل حكيم(頭の良い人よりも、経験した人に尋ねよ。)
経験者が語る言葉は重く、深みがありますから。
*1:後輩のいた会社は僕のほうが先に辞めちゃったので今はどうなっているかわかりません。