ポケットモンスター、縮めてポケモン。 夢と冒険と、ポケットモンスターの世界。
あの頃、僕にとってのポケモンは、ただひたすらに自転車を漕ぐゲームだった。
実はポケモンには、生まれ持った強さ(通称:個体値)が決められている。一つのパラメーターにつき0~31のボーナス補正があり、全6個のパラメータそれぞれにランダムに割り振られる。
当然、最高補正値の31が6つ全て揃ったポケモン、通称6V*1が一番強いことになる。ポケモンバトルでどうしても勝ちたかった僕は、少しでも勝てる確率を上げるため高個体値ポケモンが欲しかった。
高個体値ポケモンを手に入れるにはどうすればいいのか。ダイヤモンド・パールを代表としたポケモン第4世代では、とにかくポケモンのタマゴを孵化しまくってランダムに手に入るポケモンから運よく手に入るのを願うしかなかった。*2
ポケモンのタマゴを貰い、自転車で歩数を稼いで孵化させる。あの頃は、自転車で爆走することがポケモンバトルで勝つための近道だった。
ポケモン一匹孵すだけでも数分かかる。ダイヤモンドパールでは個体値判定要員のジャッジさんすらいないため、特定は1匹で数分かかった。5時間かけてようやく4Vのポケモンが生まれるも、防御と特防が一桁レベルの個体値と判明し走り直し。プラス5時間でようやく生まれる妥協個体。
今思うと、なぜあそこまで孵化にハマっていたのかわからない。ただ当時はとにかく孵化にドハマりしていて、「この孵化作業が終わったら育てたいポケモンがいなくなるから、新たな孵化候補を見つけなくては」と、孵化作業をしながら次の孵化ポケモンを検索していたのは覚えている。孵化作業をしていないと不安になり、「これだけの時間があれば100個はタマゴを孵せた」と損した気分にもなっていた。
漫画を見ながら孵化、電車移動中も孵化、寝る寸前まで孵化、作業中に連打しまくったLボタンの反応が悪くなっても孵化、ポケモンバトル中もサブROMで孵化。手が空いたらどこでも孵化をしていた。
あれから15年。今、ポケモンは1時間もかからず5Vポケモンが生まれるようになった。*3昔に比べたら、自転車移動に青春をささげる人はずっと少なくなったんじゃないだろうか。
あの当時、時間のある学生くらいしかできなかった孵化作業。活力あふれるやり込みゲームとは違う時間の使い方についてふと思い出したのでここに書いておく。
ズイタウンの夜BGM、今聞いても心が落ち着く名曲だよね。 今週のお題「やり込んだゲーム」。