ゲームは、現実にはできないような出来事を体験させてくれる側面があります。現実では基本的に時間の流れは一定であり、時間を巻き戻したり停止したりすることはできません。
だからこそゲームでは、時間を扱った様々な作品が生まれました。その中でも、時間を巻き戻し別の物語を描くタイムトラベルゲームは人気が高く、多くのソフトが発売されています。
では、"静止した時間"の中で自分だけが動ける「時間停止」はどうでしょう。アクションゲームの能力としては多く採用されてはいます。*1
ただし自分だけが行動できるという能力はあまりにも強力で、ボス敵には聞かなかったり本編クリア後に入手可能なアイテムであったりとあくまでゲームのおまけ要素として採用されているものばかりでした。
でも僕はゲーム序盤から時間停止が使えて、どんな相手にも時間停止が有効なゲームをやってみたい!
Touhou Luna Nigthsは、そんな願いを叶えるべく時間停止能力を主軸に置いた一風変わったアクションゲームです。
どんなゲーム?
マップを探索しボスを倒すアクションゲーム
Touhou Luna Nigthsはマップを探索しボスを倒すメトロイドヴァニアに分類されるソフトです。
マップを進み、ボスを倒すと更にエリアが解放され次のボスを倒しに行きます。全てのエリアのボスを倒すことができればエンディング。
メトロイドヴァニアとはいえ様々なマップを探し回る必要はなく、謎解き要素もほとんど無いため「謎解きゲーは苦手」という人でも安心して遊べます。
なお弾幕シューティングで有名な東方シリーズの二次創作ゲームですが、原作を知らなくても十分楽しめる作品になっています。
ここが面白い
時間停止をふんだんに活かしたゲームデザイン
※クリックすると再生されます。
普段はあまり使用できない時間停止をいくらでも使えてしまうことがとにかく楽しい!
ナイフを発射しても、ドォーンと時間停止している最中はビタァッと止まってくれます。時が動き出すと一斉にナイフが敵に突き刺さる様はジョジョファンもにっこりしてしまう嬉しいポイント。
時間停止なんてできればあまりにも簡単すぎるアクションゲームではないかと思うかもしれませんが、そこはしっかりゲームデザインされています。停止できる秒数には限界があり、無限に止めていられるわけでありません。
遠距離からナイフを投げ続ければ良いわけでもなく、ナイフ投げはMPを消費するためすぐ弾切れになってしまいます。
MPの主な回復回復は敵の近くにあえて近づく「グレイズ」を使う必要があるため、リスクを背負って敵に近づく必要がありメリハリが効いています。
ギミックも様々なものがあり、時間停止中でも動くギロチンや、逆に時間停止中でないと動かない台など様々。
ヌルヌル動く極上の2Dドットグラフィック
すでに何枚かの画像で見せていますが、2Dグラフィックがとても綺麗です!モーションも凝っていて、ただナイフを投げるだけでも「一回目のナイフ投げ」「2回目のナイフ投げ」で別のグラフィックが用意されていて気持ちよく操作ができます。
個人的に一番好きなのは上にあるにとりの登場シーン。コックピットの開閉モーションがカッコいい!
東方シリーズの音楽をアレンジした良質なBGM
東方シリーズは無数のアレンジ曲が出るくらいBGMが人気のシリーズ。このTouhou Luna Nightsも、東方紅魔郷で使われたBGMをアレンジした楽曲が採用されています。
なお時間停止中は音楽も停止します!時間停止はこうでないとね。
気になったところ
残念、というほどではありませんがプレイ中に気になったところ。
探索中はパズルアクションのような動作を一部求められる
このゲームは道中を探索→ボスを倒す→次のステージが解放されて道中を探索…を繰り返していきますが、探索中はまるでパズルアクションゲームのような動作を求められる場所が少しあります。
時間停止中はもちろん停止するもの、停止中でも動くもの、時間停止中にだけ動くものを見極めて、そこでどのように動くか考えながら操作する場所があるのですがここだけ少しテンポが悪いかなと思いました。
ごく一部のマップにしかないので、そこまで気にすることではないですけど。
攻撃用のナイフが不足しがち
こちらの主な攻撃手段はナイフ投げですが、ナイフは投げるたびにMPが減っていきます。このMP消費が意外に激しくて、僕の場合はすぐにMPが枯渇してナイフが投げられなくなります。
時間停止中のナイフ投げはMP消費ではなく「時を止めていられる秒数」を消費する(つまり、ナイフを投げるとすぐ時間停止は解除される)ので、時間停止を駆使したゲームデザインを目指す以上仕方ないとは思うのですが…正直言ってもっとナイフが投げたい!
ナイフのダメージを抑えて、今のMP消費量も抑えたほうがいっぱいナイフが投げられて爽快感があるんじゃないかなと思ったのですが、そうしないのは「敵の近くで回避するとMPが回復する」グレイズシステムへの誘導かもしれません。
道中の隠し部屋を全て見つけていないので、MP上限アップをあまり取得できていないのが影響しているかも。レベル上げも全くしませんでした。
まとめ:2Dアクションゲームが好きなら絶対おすすめできる傑作ゲーム
時間停止を活かしたゲームデザイン、ヌルヌル動くドットグラフィックで2Dアクションゲームが好きならオススメできる傑作ゲーム。定価1800円で、こんなに丁寧に作られたゲームが遊べてしまうなんて感動です。
ちなみにこの手のゲームの元祖となる「悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲」のオマージュもたくさん入っていています。
千本のダガーを投げるMPを消費する必殺技「サウザンドダガー」をゲット。
Steamは定期的にセールも実施しているので、気になる人はウィッシュリストに入れてみてはいかがでしょうか。
最後に…「原作にも興味がわいてきた」という人は今作のキャラが多数出演する東方紅魔郷がお勧めです。
*1:悪魔城ドラキュラのストップウォッチ、デビルメイクライの時の腕輪など。