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サマータイムを日本で導入したときのシステム影響を元SEが考えてみる

2020年東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策のため、サマータイムを日本に導入するかどうかで盛り上がっていますね。
ネットでは批判の声のほうが大きく聞こえてくる印象ですが、NHK世論調査では「賛成」が51%、「反対」が12%、「どちらともいえない」が29%と賛成が圧倒的に高くなっています。

サマータイムを導入してしまったらどんな影響があるのか、元SEが考えてみました。

そもそもサマータイムって?切り替え日の時間の境界線はどうなる?

日の出、日の入りの時刻は、季節によって大きく異なりますよね。サマータイムは、夏の間一定時間時計をずらすことで日の出ている時間を有効活用しよう!というものです。
よって、サマータイム中は本来の時刻より時計を早めて、サマータイム終了時は本来の時刻に戻すことになります。

 切り替え日の時間の境界線はどうなる?

ひとたびサマータイムが始まってしまえばいいのですが、問題はサマータイムを実施するときと終了するときです。
アメリカの具体例を見てみましょう。

  • サマータイムが始まるとき:1時間分無くなる

アメリカの場合、サマータイムを実施する3月の第2日曜日の午前2時、午前3時にずらします。つまり、午前2時台がまるまる無くなってしまいます

  • サマータイムが終わるとき:午前1時が2回やってくる

アメリカの場合、サマータイムが終わる11月の第2日曜日には午前1時台がおわるとき(01:59:59)に、再度午前1時(01:00:00)がやってきます。午前1時台を二回繰り返すことになります。

サマータイムを実施した影響範囲

サマータイムが実施された場合、どんな影響があるのでしょう?元SEが考えてみました。

システムの影響:再度テストのやり直し 機能の追加

まず、担当しているシステムに影響がないかどうか調査する必要があります。
サマータイム切り替え日は午前2時がやってこないため、午前2時の間に実行する処理が何もなされないかもしれません。データ量が多く、夜間バッチでギリギリなんとか処理している場合も見逃せません。切り替え日は一日の時間が1時間分無くなってしまう(23時間しかない)のですから、どうにかして1時間早く処理しなくてはいけない。


サマータイムを戻す日は、午前1時台が二度やってくるという悪夢のような仕様です。とある処理を記録するようなプログラムを組んでいた場合、「サマータイムを戻す際の午前1時」と「サマータイムを戻した後の午前1時」の違いがわかるようにしなくてはいけません。本来なら2時半に終了した夜勤開けの人のタイムカードが、1時半でカウントされることのないようにしないとダメです。


問題があった場合は、機能の追加が必要ですね。

エンジニアのメンタル影響:客先から嫌がられる仕事 感謝されない仕事

僕はシステムの対応よりもメンタルのほうが心配だなぁと思います。このサマータイム対応の仕事は「客先とお金の交渉で嫌な顔をされるし、対応しても誰も喜んでくれない」という最悪な仕事ではないでしょうか。
「修正にいくらかかります」という話をしたら、どんな金額を提示しても「たかが時刻の修正でそんなかかるのか」と詰められるでしょう。本当なら、調査費用も請求したいくらいですよね。
いざ対応したとしても、すでにお金は払っているのですから特に感謝はされないでしょう。客先から見ると、サマータイム対応案件は「できて当たり前。バグがあればミスを責められ出世が遅れる」タイプのネガティブな仕事です。業務改善のように「出来上がったら会社の売上に貢献して、功績が認められ出世が早まる」タイプのポジティブな仕事ではないので、仕事が無事に終わっても感謝はされません。
きっと念には念を入れて切り替え当日は夜中まで起きている人もいるでしょう…お疲れ様です。

豆知識:日本は昔、サマータイムを導入していた!

そんなサマータイムですが、実は日本もサマータイムを導入していた時期があったのです。1948年~1951年の3年間、第二次世界大戦の敗戦後に導入されていました。夏時刻法という法律が制定されていたのですが、サンフランシスコ講和条約が締結された第2金曜日の9月7日で打ち切られています。*1
廃止された理由の一つには「早く来ても早くは帰れず、残業時間が増えるだけだった」という点があったようです。残業時間増大の真相は定かではありませんが、2017年に奈良県庁がサマータイムを辞めた理由に残業時間の増加を挙げている*2人もいるため、あながち間違いではなかったのかもしれません。

まとめ:サマータイム対応はエンジニアの心のケアを考えて廃止

サマータイム対応はシステムの影響もさることながら、無事に終わらせても誰からも感謝されずエンジニアの心を病むだけの案件です。ぜひ対応しない方向で進めてほしいと思います。
元号の切り替えなど、SEの方はここ最近「できて当たり前」のネガティブな仕事ばかりで大変ですね。お疲れ様です。